住宅の窓は、家全体のなかでも熱の出入りが大きい部分です。窓の断熱性能を高めることは、夏の暑さ・冬の寒さを和らげ、光熱費の削減にもつながります。「先進的窓リノベ事業」は、こうした窓の断熱改修を支援するために設けられた補助金制度です。本記事では、制度の概要と活用のポイントを整理してお伝えします。
先進的窓リノベ事業とは
先進的窓リノベ事業は、住宅の省エネ性能を高めるための国の補助金制度の一つです。既存住宅の窓を高い断熱性能を持つ仕様に交換する工事に対して、補助金が交付されます。住宅省エネ支援事業として、給湯省エネ事業や子育てエコホーム事業などと並ぶかたちで実施されています。
対象となるのは、戸建て住宅・集合住宅を問わず、一定の条件を満たすリフォーム工事です。窓のリフォームを検討している方にとっては、補助額が比較的大きく、活用しやすい制度といえます。
対象となる工事の種類
先進的窓リノベ事業の対象工事は、大きく次の4つに分かれます。
- ガラス交換:既存サッシのガラス部分のみを高断熱仕様に交換する工事
- 内窓設置:既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する工事(二重窓化)
- 外窓交換(カバー工法):既存の枠を残して新しい窓を取り付ける工事
- 外窓交換(はつり工法):既存の窓を撤去し、新しい窓に交換する工事
- ドア交換:玄関ドア等を断熱性能の高いものに交換する工事(窓の交換と組み合わせる場合)
工事の種類や、使用する建材の性能区分(SS、S、A など)によって、補助額の単価が変わります。性能の高い建材を使うほど、補助額も高くなる傾向です。
補助額の傾向
補助額は、工事の種類・窓のサイズ・建材の性能によって細かく区分されています。1戸あたりの補助上限額が定められており、住戸あたり相応の補助を受けられる設計になっています。
ただし、補助額の単価や上限は、年度ごとに見直されます。最新の単価表は、住宅省エネ支援事業の公式サイトで確認することができますが、複雑な早見表になっているため、個別の工事内容に応じた目安額は、当診断室までご相談ください。
実質負担を見える化するには、工事費の見積と、補助額の試算をセットで確認することが大切です。「工事費 - 補助金 = 実質負担」のかたちで、お客様にとっての最終的な支払額がイメージしやすくなります。
制度活用の流れ
先進的窓リノベ事業の補助金は、工事を行う事業者が申請者となる仕組みです。お客様(住宅の所有者)が直接申請するのではなく、登録された工事業者が、お客様に代わって申請手続きを行います。
おおまかな流れは次の通りです。
- 登録事業者の確認・選定
- 工事内容の打ち合わせ・見積
- 契約・着工
- 工事完了・引き渡し
- 事業者による補助金申請
- 補助金の交付・お客様への還元
補助金がお客様にどう還元されるかは、工事業者との契約内容によります。一般的には、見積段階で補助金額を差し引いた「実質負担額」を提示するか、後日工事代金から差し引く形で還元されます。
活用のポイント
1. 早めに動く
この制度は、年度ごとに予算が定められており、予算上限に達した時点で受付終了となる可能性があります。過去にも、年度の途中で受付が止まったケースがあります。検討段階であっても、早めに情報収集を始めることをおすすめします。
2. 他制度との併用を検討する
先進的窓リノベ事業は、給湯省エネ事業や子育てエコホーム事業など、他の住宅省エネ支援事業と併用できる場合があります。窓の断熱と給湯器の交換を同時に行うことで、補助額を積み上げる活用方法もあります。ただし、併用には条件があるため、個別に確認が必要です。
3. 性能の高い建材を選ぶ
補助額は、使用する建材の断熱性能区分が高いほど大きくなります。同じ「窓の交換」でも、選ぶ建材によって補助額が変わるため、工事内容の打ち合わせ段階で、補助額を意識した建材選定を行うことが大切です。
ご注意ください
本記事は、先進的窓リノベ事業の概要をお伝えするものです。補助額の単価・対象建材・申請期限などの最新情報は、住宅省エネ支援事業の公式サイトをご確認ください。
また、補助金制度は年度ごとに見直されるため、最新の制度内容と異なる場合があります。実際の活用にあたっては、対象工事に詳しい登録事業者、または当診断室までお問い合わせください。